夜中のトイレで目が覚める…トイレ不眠、原因と対策3つ

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「自分が気が付かないうちに尿が漏れていた」「恥ずかしいので家族には言えない」
あなたはそんな経験がありませんか? まさか自分がそんなことになるなんてと思っていても、尿漏れ、尿失禁はある日急にやってくる可能性があります。ここでは、この尿失禁、尿漏れが引き起こされる原因と、その対策についてお話しします。これを読んであなたも適切な対策ををして、クリーンな生活を送れるようになってください。

1.夜中のトイレで睡眠不足…これだけの危険

1-1.睡眠不足はガンになる!?

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睡眠に問題を抱えた男性の前立腺がんになるリスクは約2倍高いという研究結果が、米国癌学会(AACR)より報告されました。女性は以前から、不眠症の人は乳がんになるリスクが高いと報告されていましたが、男性の前立腺がんについては今回が初めての報告となります。

重症(悪性度が高い)の前立腺がん患者は睡眠障害が多く、睡眠に問題を抱えている人は重い前立腺がんになりやすくなります。そのほか、睡眠障害は生活習慣病や認知症を増悪させるとの報告も多くあります。

そもそも、ガンと睡眠不足にはどのような関係があるのでしょうか? 睡眠不足は、疲れがたまるだけでなく免疫力を低下させ病気にかかりやすくなりますね。また睡眠不足によりストレスホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌され、癌の発症率をアップさせる恐れがあります。

また、睡眠不足になると自律神経の働きが安定せず、交感神経、副交感神経のバランスが乱れさまざまな体の不調を引き起こします。特に、血圧が高すぎたり低すぎたりすれば癌以外の病気を発症するおそれもあります。睡眠不足だと交感神経が高ぶったままですから血圧が下がらずに朝を迎えてしまうわけです。自律神経が狂ってしまうと体の機能がうまく働かなくなるだけでなく、『眠れなかった』という事が心的にもストレスをため、また免疫力も落ちて癌が発症しやすくなるのです。

1-2.あなたの最適な睡眠時間は?

では、ここで一つ疑問なのですが、人はどのくらいの時間眠れば適切なのでしょうか? 
下の表は、年齢別の最適とされる睡眠時間の表です。
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健康的な睡眠のコツは、大きく二つです。

1.熟年世代は朝晩メリハリ、昼間に適度な運動で良い睡眠を

寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減ります。 上記の年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣をつけましょう。

2.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない

眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きをするようにしましょう。眠りが浅く何度も夜中に目が覚めてしまう場合は、寝床で過ごす時間が長すぎる可能性もあります。

1-3.泌尿器科は睡眠の専門医?

泌尿器科の受診理由のトップとしてあげられるのは、この「夜間頻尿」です。快適な睡眠が得られないというのは、多くの方が抱えている悩みのようです。世界保健機構(WHO)も、健康寿命を延ばすためには睡眠が重要だということを言っています。

1.就寝後3時間以内に目が覚める
2.3回以上目が覚める
3.9時間以上寝ている

これら3つのいずれかに当てはまる方は、がん・脳卒中・心筋梗塞・生活習慣病などにかかりやすく、死亡率が高いことが知られています。また、睡眠不足は精神情動作用にもかかわっていて、イライラ、物忘れなどにも大きく関わっています。

加齢による泌尿器の衰えは歯止めをかけることができません。夜中にトイレで起きてしまう人がどのようにすればよいのかについて、次の章でお話しします。もし、先ほどの3つのいずれかに当てはまっていて、満足に眠れていないと感じているのであれば、その原因と対策についてご一緒に考察していきましょう。

2.夜中のトイレで起きる原因

2-1.夜にトイレで起きる原因① 過活動膀胱

過活動膀胱とは、意思とは関係なく急に尿意をもよおしたり、もれそう・あるいは尿漏れしてしまう症状が挙げられます。脳と膀胱を結ぶ神経伝達のトラブルが原因の場合と、前立腺肥大など神経伝達とは関係のないトラブルに大別されます。それ以外にもストレスなど心因性の尿失禁という場合もあります。頻尿の種別:夜間頻尿(夜に何度もトイレに行く)、頻尿(昼間のオシッコの回数が多い)、尿意切迫感(急激にくる尿意)、尿失禁(突然のもれ)など

過活動膀胱の原因は、膀胱の神経伝達がきちんと行われない、膀胱の壁の筋肉が固くなり伸び縮みが上手くいかない、などがありますが、特に膀胱の血の流れの低下(膀胱虚血 ぼうこうきょけつ)が原因の一つとされています。
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最近の研究で、膀胱内にある「C繊維」と呼ばれる神経が、血流低下(膀胱虚血)の状態になると刺激され、少しの尿でも過剰に反応してしまう、つまり過活動膀胱の症状を起こすことがわかってきました。こうなると尿をゆっくりと大きく膀胱に貯めることができなくなります。本来C繊維は皮膚などにもある神経で、温かい、冷たい、痛いなどの感覚を感じとる神経です。
膀胱炎など炎症があると活性化して強く尿意を感じたり、冷えによって活性化するようです。

膀胱血流低下の原因の一つとして「動脈硬化」が挙げられます。動脈硬化とは、血管の弾力性が失われて硬くなったり、動脈内にさまざまな物質が沈着して血管が狭くなり、血液の流れが滞る状態をいいます。膀胱がこの状態になると大きくゆっくりと動けなくなり症状が出現するのです。

動脈硬化は脳卒中や心筋梗塞、過活動膀胱、男性ではEDを起こす原因とも言われています。年齢、運動不足、肥満(メタボ)などで動脈硬化は進むと言われ、危険因子としては、高血圧、脂質異常症(高コレステロール血症)、高尿酸血症が挙げられます。

夜に頻繁におしっこに行く以外に、昼間にトイレが近いのは、この過活動膀胱のせいかもしれません。過活動膀胱によって、旅行や映画などを「トイレが近くて楽しめない」と悩んでいる方は男女問わず少なくありません。

「1日に8回以上トイレに行く」「突然の強い尿意」「尿失禁(尿もれ)」などの症状が出る過活動膀胱は40歳以上の男女の8人に1人、患者数は日本で約810万人にのぼると推定されています。 過活動膀胱かどうかの診断は問診(過活動膀胱問診票)と排尿検査によって可能です。

2-2.夜にトイレで起きる原因② 前立腺肥大症

前立腺肥大症は、尿の通り道(尿道)をぐるりと取り囲んでいる前立腺が大きくなる事で、尿の通り道を押しつぶして(閉塞)、尿を出にくくしてしまう病気です。
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膀胱は腎臓で作られた尿を貯める袋ですが、尿がたまると膀胱が膨らみ尿意を感じ、排尿の時には膀胱が収縮して尿を押し出します。

前立腺肥大症は50歳以上の男性に多くみられ、年齢とともに進行し(慢性進行性)、自然に治癒(治る)することは無いといわれている厄介なものです。 尿を押し出す役目は膀胱が担います。膀胱も筋肉でできていて、身体の他の部分と同じように、筋力(尿を押し出す力)は年齢とともに弱くなっていきます。

50歳を過ぎると、「通り道が狭くなり、押し出す力も弱くなる」という状態となり、膀胱は狭い道に送り出すために余分なパワーを必要とし、弱い筋力が更にヘトヘト、残尿など別の問題に発展していきます。過剰に緊張した膀胱が過活動膀胱の症状を引き起こし、前立腺をより硬直させ、排尿トラブルとなるわけです。前立腺肥大症で通り道が狭くなると、膀胱に過度の負担が掛かり硬く緊張した状態となりますから、夜間頻尿の他にも、先に述べた過活動膀胱や尿モレ(尿失禁)を起こしてしまいます。

この悪循環が長く続くと、排尿の問題ばかりではなく、「熟睡できない」「イライラする」「いつもトイレが心配」等の心配から自律神経に影響を与えて、身体の不調を多く抱えることに発展する可能性を潜めています。

2-3.夜にトイレで起きる原因③ 睡眠が浅い

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夜トイレに起きるから眠れないと思いがちですが、実は逆もあります。つまり、睡眠が浅いことが原因で、夜間頻尿になっているケースがあるのです。

昼間に対して夜は腎臓がおしっこをつくるのを抑えるホルモンが増え、おしっこを作る量が昼間の6割くらいになると言われています。また膀胱の容量も1.6倍くらいになり、寝ている時におしっこが多くないように調節されています。 通常は昼間より夜に眠っている間の方が、膀胱にためられる尿の量が多くなります。

このような夜間におしっかこの回数を減らすシステムは3~4歳くらいから作られていきます。しかしながら、睡眠が浅いとこのシステムがうまく動作しなくなり、ためられる量に早く限界が来てしまうというわけです。その結果、夜中にトイレに行く回数が増えてしまうのです。

3.朝まで快眠を約束する対策3つ

3-1.改善のポイント① 水分やアルコールを控える

夜にトイレで目がさめないために、まず考えなければいけないことは、水分やアルコールの摂取量を控えることです。夜に全く水分を取らないのは良くないですが、取り過ぎかなという心当たりがあれば、多少摂取量を減らしてみましょう。

また、アルコールは強い利尿作用があります。お酒を飲むのは睡眠の4時間前までにしておき、飲酒量も減らすことが大切です。特に寝酒が習慣になっている人は夜中に目が醒めやすいので、注意しましょう。

3-2.改善のポイント② カフェインの摂り過ぎを控える

カフェインにも利尿作用があるので、摂り過ぎには注意が必要です。

コーヒーや紅茶、緑茶などが代表的ですが、炭酸飲料や栄養ドリンク、ココア、チョコレートなどにもカフェインが含まれています。高齢者の場合、カフェインの作用は6時間くらい続くこともあると言われますので、夕方以降カフェインの摂取を控える事で良い睡眠を得られるようになるでしょう。

夜は、ハーブティーやほうじ茶など、カフェインの含まれないものを選びましょう。

3-3.改善のポイント③ 原因となる病気に対処する

夜間の頻尿を招いて眠りを邪魔する病気としては、以下のものがあります。

糖尿病
血糖値が高くなると、腎臓が血液中のブドウ糖を水分とともに尿として排泄し血糖値を下げようと働くために頻尿になります。

高血圧
高血圧で腎臓に負担がかかると、腎臓の機能の低下により頻尿という症状が現れる可能性があります。

前立腺肥大
尿の通り道が狭くなり、押し出す力が弱くなります。

睡眠時無呼吸症候群
睡眠時の無呼吸によって、低酸素状態から交感神経を緊張させてしまうことで、排尿が促されます。

本当に様々な病気が眠りを邪魔します。ここであげたような持病がある方は、これらの病気を治療していくことが、頻尿の改善にもつながるといえます。

3-4.それでもだめなら病院へ

ここまでお伝えしてきたように、排尿トラブルによる不眠は年齢とともに症状が進んでいってしまいます。症状が重くなると、普段の生活にも支障が出て、生活の質が著しく低下してしまいます。少しでも気になるなら、お近くの泌尿器科に一度見てもらと安心です。

逆に言えば、排尿トラブルを改善することで、今よりもぐっすり寝られるようになるわけですから、まさに一石二鳥といえます。信頼できる泌尿器科医を見つけて受診をすることをおすすめします。

4.まとめ

いかがでしたか? 頻尿によって引き起こされる不眠で悩んでいらっしゃる方は意外と多く、その不眠が今度は身体に様々な不調や病気を呼び込んでしまいます。

原因を知って早めに対策をすることで、以前と変わらない生活に戻ることもできます。ぜひ、このページでお伝えしたことを利用して、毎日を元気に過ごして下さい。

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